宅建業免許申請について
宅建業、つまり不動産業を営むには、宅地建物取引業法により国土交通大臣または都道府県知事から免許を取得しなければなりません。
ではそのためには何が必要かを詳しくご説明します。
◆宅建業とは?
宅建業法によると、宅建業とは「宅地または建物の売買」、「宅地または建物の交換」、「宅地または建物の売買、交換または貸借の代理』、「宅地または建物の売買、交換または貸借の媒介」を業として行うことをいいます。
つまり、自己所有の宅地または建物を賃借する(人に貸す)とき以外は、宅地建物取引業の免許が必要である、ということです。
また、「業として行うこと」とされているので、1回だけ自分の不動産を処分したことがあるなど何度も継続して不動産を売買、交換、貸借したことがなく、明らかに不動産の事業であると他人から見られなければ、免許は必要ないといえます。
◆国土交通大臣または都道府県知事からの免許
個人でも法人でもどちらかの免許を取得することになります。
@国土交通大臣の宅建業免許が必要な場合
2つ以上の都道府県に事務所を設置して営業を行なう
A都道府県知事の宅建業免許が必要な場合
同一の都道府県に事務所を設置して営業を行なう
◆免許の有効期限は?
宅建業の免許には有効期限があります。一度取れば永久に有効というものではありません。
宅建業の免許は、5年ごとに更新の手続が必要です。
更新の手続をせずに営業をしていると、厳しい罰則が科せられますので注意しましょう。
また、免許更新の手続はその有効期間が満了する日の90日前から30日前までの間にしなければならない、と定められています。
◆宅建業免許の取得要件
代表者(法人、個人)、法人の役員や個人の法定代理人、政令で定める使用人(支店長)、専任の取引主任者が免許を取得するためには、宅建業免許取得要件を備えていることが必要となります。
●宅建業免許取得要件について
(1)欠格事由について
宅建業法第5条1項に「欠格事由」について規定されています。
これに該当する場合には、宅建業の免許を取得することはできません。
@宅建業免許不正取得、情状が特に重い不正行為または業務停止処分違反をして宅建業免許を取り消された場合は、免許を取り消された日から5年間は免許取得できない。
A宅建業免許不正取得、情状が特に重い不正行為または業務停止処分違反をした疑いがあるとして聴聞の公示をされた後、自ら廃業の届出をした場合、その届出の日から5年間は免許を取得できない。
B宅建業法もしくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反したことや刑法、暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金刑以上の刑に処せられたか、それ以外の法律により禁錮刑以上の刑に処せられたことがある場合は、その刑の執行が終わった、または刑の執行を受けることがなくなった日から5年間は免許を取得できない。
C宅建業免許の申請前5年以内に宅建業に関して不正または著しく不当な好意をした場合は免許を取得できない。
D成年被後見人、被保佐人、破産宣告を受けている場合は免許を取得できない。
E宅建業に関し不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな場合は、免許を取得できない。
(2)登記事項について
免許申請者が法人の場合、法人の商業登記簿謄本の事業目的欄に「宅建業を営むこと」にあたるものが記入されていることが必要です。
記入例として、「不動産の売買」、「不動産の売買の仲介」、「不動産の賃貸」、「不動産の賃貸の仲介」など宅地建物取引業の免許が必要となるものが含まれていなければなりません。
また商号や名称については、法律で使用が禁止されているもの、地方公共団体などの公的機関と紛らわしいものや記号などが含まれていて判読しにくいものは商号変更が必要になりますので、注意しましょう。
(3)事務所の要件
@事務所の定義
宅建業法第3条1項で「事務所とは本店又は支店、その他政令で定めるものをいう」と定義されています。
「本店又は支店」とは、登記簿謄本に記載された本店、支店が当てはまり、「その他政令で定めるもの」とは、継続的に業務を行うことができる施設を有し、宅建業に関する契約を締結する使用人をおいている場合をいい、支店の登記がなされていなくても実体上類似していれば、支店としての名称でなくても支店として扱われます。
ここで注意すべき点は、本店で宅建業を営んでいなくても支店で営んでいれば、本店も宅建業を営んでいるとみなされ、本店にも営業保証金の供託や専任の取引主任者の設置が必要となることです。
逆に、本店で宅建業を営み、登記されていても支店で営んでいない場合には、支店を事務所として扱わずに、保証金の供託や専任の取引主任者の設置も必要ありません。
これは本店が中枢管理機関として支店を統括していると考えられるからです。
A事務所の形態
事務所として認められるためには、物理的にも社会通念上にも宅建業の業務を継続的に行える機能を持ち、事務所として認識される程度の独立した形態を備えていることが必要となります。
認められない例
・ 一般の戸建住宅やマンションの一室(一部)を事務所と使用している場合
・ 同一フロアーに他の法人と同居している場合
・ 仮設の建築物や移動可能な建物などを事務所としている場合 など
上記の場合であっても、事務所専用の出入り口がある、他の部屋と壁で間仕切りされている、事務所としてだけ使用している場合には認められることがあります。
また、他の法人と同居している場合にも、出入り口が別で、他社を通らずに出入りが確保されている、高さ180cm以上のパーテーション等固定式の間仕切りで仕切られている場合には事務所として認められる場合があります。
(4)専任の取引主任者の要件
@宅建取引主任者とは
宅建取引主任者には、単に試験に合格しただけではなれません。
宅建取引主任者試験に合格し、さらに取引主任者資格登録をし、取引主任者証の交付を受けて、初めて宅建取引主任者となれるのです。
宅地建物取引主任者に登録できるのは、次のいずれかに該当する者です。
a)宅建業の実務経験が過去10年以内に2年以上ある者
b)実務講習を終了してから10年以内の者
c)国、地方公共団体又はこれらの出資を伴い設立された法人における宅地・建物の取得、交換又は処分に関する業務に主として従事した期間が過去10年以内に2年以上ある者
A専任の取引主任者とは
宅建取引主任者には、「専任」と「一般」に分けられます。
どちらも重要事項の説明など宅地建物取引主任者としての業務内容は同じですが、「専任」は事務所に常勤して専ら宅建取引業の業務に従事している状態でなければなりません。
つまり、一般的な営業時間に宅建取引業の業務をすることができない状態や次のような場合は「専任」とは認められません。
a)他の事務所の代表取締役や常勤の役員を兼務している場合
b)会社員、公務員など他の職業に従事している場合
c)他に個人事業を営んでいる場合
d)通常の勤務が不可能な場所に住んでいる場合(※通勤時間片道2時間以上)
また専任取引主任者については、宅建業に従事する者5名に1名以上の割合で設置することが義務付けられています。
たとえば宅建業に従事するものが6名いる場合、「専任」の宅建取引主任者は2名必要になることになります。また、「専任」の取引主任者は成年者でなければなりません。
「専任」の取引主任者が退職等で欠員が出た場合には、2週間以内に補充するなどの処置が必要となります。
B「専任」取引主任者本人がしておくべきこと
「専任」取引主任者に就任する者は、申請前に「取引主任者登録簿」に勤務先が登録されていない状態でなければなりません。
主任者ご本人でも「取引主任者登録簿」の勤務先がどのようになっているか理解されていないことが多く、「宅地建物取引主任者資格登録申請書」、「宅地建物取引主任者資格登録簿変更登録申請書」の控えを手元にお持ちでない場合には、登録先の都道府県に確認が必要です。
また、「宅建取引主任者資格登録簿」は会社が行う「専任」の取引主任者の就退任の変更届によって自動的に変更されるものではありません。
会社などを退職した場合など登録事項に変更が生じた場合、宅建取引主任者ご本人およびご本人から依頼された行政書士が「宅建取引主任者資格登録簿」の変更申請を行わなければなりません。
◆免許申請のながれ(新規申請の場合)
書類作成
↓
免許申請 → 書類の不備を補正
↓ ↓
審査 ← 免許申請
↓
免許
↓
営業保証金の供託 or 保証協会への加入
↓ ↓
届 出
↓ ↓
免許証交付
↓
営業開始
