「誰が、いつ、どんな内容の郵便物を、誰に送ったのか」を証明してくれる特殊郵便の一種です。
内容証明を取り扱っている郵便局へ持っていき、配達証明付き書留郵便で郵送します。
内容証明を送付したからといって、その文書が公的効力をもつものではありません。
ただ相手に対して強い意思表示を示して精神的圧力をかける、という効果は期待できます。
内容証明のメリット
1.相手にこちらの気持ちを伝え、かつ精神的圧力をかけることができる
"あえて内容証明という方法を選ぶことによって、こちら側がいかに真剣にその意思表示を行っているかを示すことができます。"
"また、文書の書き方によっては、「こととしだいによっては裁判も辞さない」というこちらの覚悟を見せることができるので、進展しなかった問題を進めるきっかけとなり得ます。"
2.有力な証拠作りとなる
"ついに訴訟となる場合に、相手方に口頭や普通郵便での催促等だけでは裁判で認められる明確な証拠とはなりませんが、内容証明を出すことでその文書は公的証拠として扱われます。
"
3.第三者の証明が得られる
"上記と重複しますが、内容証明を利用する際、同じ文書を3通用意し、1通は差出人保管用(自分用)、1通は郵便局の保管分、もう1通は相手方に送るものです。"
"郵便局で3通を確認したうえで差出年月日の入った証明印が押され、これにより文書の送付を証明してくれます。"
郵便局という第三者が介入することで、有力な証拠として扱われます。
内容証明のデメリット
1.文書作成形式がある
"内容的には何を書いてもいいとされていますが、1枚に最大520文字という字数制限や文書形式に合わないものは受け付けてもらえません。"
2.文書のみ
決められた形式に沿って作られた文書のみを送付できます。
"文書の内容を補足する地図や表などがあっても、同封できないので、どうしてもという場合には別に郵送することになります。"
3.撤回できない
相手に届いてしまったら、その文書を取り戻すことはできません。
表現によっては相手方に脅迫ととられてしまい、脅迫文書の証拠となることも考えられます。
文書を作成する際には、十分慎重に、かつきちんと調査・確認したうえで正確に記載することが必要です。
間違った内容や曖昧な表現があると、裁判になった場合に請求や主張に疑いをもたれてしまいます。
できるだけ簡潔に、しかも明確に書くことが大事です。
どんな時に出すのか?
@契約解除やクーリング・オフをする場合
A債権の時効消滅や時効の中断を主張する場合
B債権譲渡の通知・承諾
C各種損害賠償の請求
D商標権・著作権などの侵害に対する警告・差止め請求
E迷惑行為対策
内容証明の文書作成ポイント
@1ページにかける字数・行数
文書は縦書き、横書きどちらでも構いません。
・縦書き 1行20字以内、1ページ26行以内
・横書き @1行20字以内、1ページ26行以内
A1行13字位内、1ページ40行以内
B1行26字位内、1ページ20行以内
枚数に制限はありません。
A使用できる文字
"原則として、日本語で書かれた文書なので、ひらがな、カタカナ、漢字、算用数字、漢数字、一般的な記号が使用可能です。"
固有名詞については、英字を使用することも認められています。
また記号については、注意が必要です。
"一般的に1個につき1字と数えますが、文章の中で順序を示す記号として使われている場合は、全部で1字として数えます。"
たとえば(1)やAの場合、順を示す記号して使われていれば1字、そうでない場合は2字となります。
B文書の訂正方法
文書中の字句を削除、訂正する場合、元に何が書かれていたのかがわかるように、訂正箇所に2本線を引きます。
決して塗りつぶさないようにしましょう。
"また、訂正して書き加える場合、2本線を引いて消した文字のわき、縦書きなら右に、横書きなら上に書き添えます。"
"最後に欄外または文末の余白に、どのような訂正を施したかを記入し、(たとえば「○行目○字削除」、「○行目○字訂正」など)押印する。"
"訂正を行った場合でも、1ページの文字数(最大520字)は変わりませんので、限度文字数を超えた場合は2ページ分として扱われるので注意しましょう。"
文書の中身
@表題
文書の冒頭につけるタイトルのことです。
たとえば、請求書や通知書など文書の内容を端的に表す語句があることで、一目で内容を理解できます。
A前文・後文
"基本的には省略しても構いませんが、相手との関係によっては本題に入る前に時候の挨拶や文末に結び文句を入れるなどすると、印象を柔らかくする効果があります。"
B本文
一番重要な部分です。
必要事項をはっきりと、確実に相手に伝わるように書くようにしましょう。
主観的な感情や背景事情を詳しく記載しないほうが、ポイントが明確になり、わかりやすいです。
また、撤回できないので、書く前に事前確認を十分行ってから作成しましょう。
C差出人・受取人
"内容証明を出した人(差出人)と相手方(受取人)を特定できるよう、個人の場合は住所、氏名、会社などの法人の場合は所在地、名称、できれば代表者の氏名を記載し、押印します。"
代理人を立てた場合も同様に住所、氏名を記載し、押印します。
D差出年月日
差出日を明確にしておきます。
問題によっては、発信の日時が重要となる場合もあります。
電子内容証明について
日本郵政公社の電子内容証明のHPからソフトダウンロード、もしくは内容証明取り扱い郵便局でソフトを入手し、ネット上で登録作業を行うと、お手持ちのワープロソフト(ワードもしくは一太郎に限る)で内容証明を作成することができます。
電子内容証明の利点
1.24時間利用可能
忙しいときや自宅に限らず、職場などインターネットの環境さえあれば場所を限定されずに受付(送付)することができる。
2.通常よりも字数制限が緩和
A4用紙に規定の余白(後述)を設けた残りの部分に、10.5ポイント以上450ポイント以下の文字で1ページ内に納まるのであれば、自由に設定できます。
また、文字の装飾も太字・斜体に限られますが、することもできます。
3.手間が省ける
データを送信すると自動的に3部作成してくれるので、実際に3部つくってさらに郵便局で確認作業を待つ時間を省くことができます。
また、押印や封入などの煩わしい作業もしなくていいのは非常に楽です。
デメリット
@枚数制限がある
最大で5枚まで。
A初期登録が必要
利用するには事前に利用者登録しなければならない。
B送付できるのは国内のみ。
いずれにしても、メリットに比べればたいしたデメリットではありません。
こんな人に向いています
@ パソコン環境が整っている人およびパソコンを利用できる人
A 忙しくて郵便局が開いている時間に郵送手続を行えない人
B 取り扱い郵便局が近くになく不便に感じている人 など
用紙設定
A4用紙で縦置き横書き、横置き縦書きのどちらかでしか作成できません。
その際の余白は、縦置き横書きの場合、上左右1.5cm以上、下7cm以上。
横置き縦書きの場合、上下右1.5cm以上、左7cm以上となっています。
仮に手元に内容証明が届いたら・・・
前にも書きましたが、内容証明には相手方からの強い意思表示が含まれていますが、文書自体に強制力はありません。
ですので、精神的に追い込まれてむやみに慌てることはありません。
ただ相手方は裁判も辞さないと覚悟を決めていますので、その気持ちを受け止め、真摯に誠実に対応すれば問題ないでしょう。
異議や反論があるのならしっかり意見を伝えます。変に下手に出ては、反論の機会を失うことになりかねません。
また、返答は内容証明で返す必要はありません。
まずは落ち着いてその内容を吟味することが大切です。
料金
(送付先1箇所、本文1枚の場合)
・内容証明郵便
文書(1枚) 420円 (1枚増すごとに +250円)
郵送料 80円
書留料 420円
配達証明 300円 (差出後 420円)
合計 1,220円
・電子内容証明郵便
基本料金 80円
電子郵便料金 20円 (2枚目以降 5円)
本文 365円 (1枚増すごとに +343円)
書留料 420円
配達証明 300円
謄本送付 290円
合計 1,475円
※ 速達で出す場合は、270円を追加。

